高校生

酸素解離曲線の計算 左右方向移動などわかりやすく解説

酸素解離曲線の計算は高校生物の中でも難しくて、戸惑ってしまう人のおおい問題です。

特に左方向移動や右方向移動には慣れておかないと、テストで突然「右方向に移動します」って出てきて、

勝手に移動するなー!!

って思わなきゃいけなくなります。

他の教科もあるから生物にはなかなか時間を割くのは難しいですが、計算問題は数をこなせばできるようになりますから、時間を作って何度もチャレンジしてみてくださいね。

この記事では酸素解離曲線の右方向移動・左方向移動など、酸素解離曲線に関する問題について分かりやすく解説していきます。

酸素解離曲線とは?

赤血球中のヘモグロビンが肺や組織で、どのくらい酸素と結合しているのか?という割合を表したものが酸素解離曲線です。

肺は酸素を吸い込むところですね。

ですから、肺静脈のヘモグロビンは体の中でも一番酸素が多いんです。

逆に、末梢の血管にいるヘモグロビンは肺で受け取った酸素を体の組織に受け渡して役目を終えそうになっている子が多いので、酸素の量は少ないです。

分圧とは?

酸素解離曲線のグラフに『酸素分圧』という言葉が出てきます。

空気には圧力があります。中学生の物理でボイルの法則を習ったのを覚えていますか?

空気を圧縮したり、元に戻したりする計算をしましたよね。

(物理って聞いたらもう頭がこんがらがった人はここはあまり関係ないので置いといてください)

まあ、それで、空気中には圧力があって空気中に含まれる酸素とか窒素とかそれぞれが持っている圧力って違うんです。

空気中に含まれる各気体がしめる(持っている)圧力のことを「分圧」って言います。

体の中の肺に含まれる空気全体の中で、酸素が持っている圧力を酸素分圧と言います。

分圧は、分子数に比例して高くなります。つまり酸素の濃度が高ければそれだけ酸素分圧も高くなります

酸素解離曲線とは?をもう一度

酸素解離曲線は、横軸にO₂濃度(酸素分圧)、縦軸に酸素と結合しているヘモグロビンの割合(HbO₂)=酸素飽和度をとったグラフです。

酸素解離曲線の右方移動・左方移動

ヘモグロビンは、同じ酸素濃度でも二酸化炭素濃度が高いと酸素と結合しにくくなります。

そのため、二酸化炭素がたくさんある場所では、二酸化炭素が少ない場所での酸素解離曲線よりも右に移動したグラフになります。

反対に、二酸化炭素が少ない場所では酸素と結合しやすいのでグラフは元のグラフより左方向に移動します。

胎児の酸素解離曲線

胎児のヘモグロビンは、大人のヘモグロビンとはちょっと違う性質を持っています。

胎児のヘモグロビンは大人のヘモグロビンよりも酸素と結合しやすいんです。

ですから同じ酸素分圧でも、胎児の酸素解離曲線は大人の物よりも左方向に移動します。

胎児のヘモグロビンは生後6か月までに大人と同じものに置き換わっていきます。

酸素解離曲線とpH

ヘモグロビンはpHが低いほど酸素と結合しにくいです。

pHが高いほど、酸素と結合します。

つまり酸性(低いpH)に傾くと、グラフは右に移動します。

アルカリ性(高いpH)に傾くと、グラフは左に移動します。

 

酸素解離曲線と温度

ヘモグロビンは温度が高いほど酸素と結合しにくくなります。

つまり温度が上がるとグラフは右に移動します。

温度が下がるとグラフは左に移動します。

 

酸素解離曲線についての説明は『チャート式生物』に詳しく載っています。

例題もありますので学習しやすいですよ。

チャート式生物を持っている人は開けてみてくださいね。

酸素解離曲線でおなじみ ミオグロビンとヘモグロビン

生物基礎ではあまり出てきませんが、時々、難しい問題でミオグロビンというのが出てくることがあります。

ミオグロビンは、筋肉中に存在している酸素の運搬にかかわるタンパク質で、問題では「運動によって酸素が足りなくなったからミオグロビンから酸素が解離されてどーのこーの」という感じで出題されます。

ミオグロビンは、ヘモグロビンよりも酸素飽和度が高いです。

ですから同じ条件下ではミオグロビンのグラフはヘモグロビンのグラフよりも左に移動しています。

そして酸素ミオグロビンの割合は、酸素濃度が50前後でもう100に達してしまいます。

とにかくなんだかすごい酸素との親和性が高そうなグラフが現れたら、ミオグロビンだな。と思ってください。

計算方法などはヘモグロビンの時と同じです。

酸素解離曲線の計算問題にチャレンジ!

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ヤフー知恵袋から抜粋)

問題

問題

図はある哺乳類の酸素解離曲線を表したもので肺胞での酸素濃度は相対値100、二酸化炭素濃度は相対値40であり、組織での酸素濃度は相対値30、二酸化炭素濃度は相対値60である。

⑴(ア)肺胞の血液と(イ)組織の血液では酸素ヘモグロビンの割合はそれぞれおよそ何%か?

⑵組織では酸素ヘモグロビンの約何%が酸素を解離したか、整数値で答えよ。

⑶このとき組織において放出される酸素量は血液100mlあたり何mlか。ただし肺胞の血液100ml中には、ヘモグロビンと結合した酸素が20ml存在するものとする。

計算問題の答え

⑴(ア)95% (イ)50%

⑵47%

⑶9.4ml

【解説】

⑴酸素ヘモグロビンの割合=酸素飽和度のことです。

ですから、グラフから読み取ります。

(ア)は問題文に『肺胞での酸素濃度は相対値100』とあるので、横軸が100のところの数値を読みます。グラフに細かい数字が書いてないので、大体で良いです。答えは95%ですが、96とか97くらいでもOKです。90とか100など、あまりに数字が離れていると×になります。

(イ)は『組織での酸素濃度は相対値30』とあるので、横軸が30のところの数字を読みます。答えは50%です。

⑵全体が100%じゃないところに注意します。

一番酸素の多い肺胞での酸素ヘモグロビンの割合が95%だったので、全体で95%をもとになる数にします。

よって、{(95-50)/95}×100=47.3684・・・≒47

で、47%です。

酸素を解離した割合を求める公式

{(肺胞での割合ー組織での割合)÷肺胞での割合}×100

⑶肺胞(一番酸素の多い場所)で100mlあたり20mlの酸素が存在しています。

そして、⑵の問題で組織で約47%の酸素を解離することが分かりました。

よって、20ml×0.47=9.4

答えは9.4mlです。

基本の考え方は理解できましたか?

酸素解離曲線の問題はたくさん解いて慣れるしかないので、いくつか問題を解いてみてください。

学校の先生に言って問題をコピーしてもらったり、模試の過去問を手に入れたり、問題集を買うなどの方法を使ってみましょう。

生物の問題集を買うなら解説が丁寧に書かれているものを選ぶと進めやすいです。

おすすめは基礎問題精講です。

ちょっと難しい問題も混ざっていますが、解説が丁寧なので分かりやすいはずです。

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